(3)戦略会計STRACの学習効果(その1)
1.損益分岐点の考え方が誰にでも簡単にわかります
財務会計・管理会計の多くの本で損益分岐点の公式を
損益分岐点(売上高)=固定費/(1-変動費/売上高)=固定費/限界利益率
と説明しています。
戦略会計STRACでは図解変動損益計算書から、
損益分岐点とは粗利高(mPQ)に対する固定費(F)の割合であることがわかります。
損益分岐点(売上高)=F/m(F/mPQの両辺にPQを掛けるとPQ=F/m)
損益分岐点(比率)=f/m(F/mPQの上下をPQで割るとf/m)
※ f=固定比率(F/PQ) m=粗利益率(mPQ/PQ)
よって、損益分岐点売上高はF/m、損益分岐点比率はf/mと覚えれば良いのです。
このmPQとFとの対比パターンは次の3つしかありません。
① mPQ>F ---> G>0(黒字企業)
② mPQ=F ---> G=0(損益分岐点企業)
③ mPQ<F ---> G<0(赤字企業)
企業経営の目的は、投資した固定費(F)以上に粗利高(mPQ)を、いかに大きく回収するかを考え実現することになります。
2.経営戦略・戦術の考え方に幅が広がります
企業経営の目的が経常利益(G)をより大きくすることになるので、
経営者の多くは「売上高を上げろ」、「経費を下げろ」と唱えます。
戦略会計STRACの要素法を理解すれば、mPQ-F=GからGを上げるために
・mPQを上げてGを大きくするか
・Fを下げてGを大きくするか
を考えます。
次に、PQ-vPQ=mPQからmPQを上げるために
・PQを上げてmPQを上げるか
・vPQを下げてmPQを上げるか
さらに、PQ=P×QからPQを上げるために
・Pを上げてPQを上げるか
・Qを上げてPQを上げるか
・Pを下げてQを大幅に上げてPQを上げるか
このように経営戦略・戦術の考え方に幅が広がります。
経営者から「売上高を上げろ」と指示を受けた社員は、
経営者に対して「売価(P)を上げて売上高を上げるのか」あるいは
「売上数量(Q)を上げて売上高を上げるのか」を確かめなくてはいけません。
どちらを選ぶのかにより、経営戦略・戦術が大きく異なってくるからです。
経済状況や自社の経営状態・経営資源等を考えながら、経営戦略・戦術を考えるとが重要になります。
(その4につづく)
(1)変動損益計算書について
・損益分岐点分析を行うには、費用を変動費と固定費に分ける必要があります。
いわゆる直接原価計算の考え方です。
・損益分岐点図表を見れば、売上高に比例して変化する費用=変動費と、比例しない
費用=固定費から構成されていることがわかります。
・この直接原価計算の考え方で損益計算書を作成したものを、一般的に「変動損益計算書」といいます。
・戦略MGマネジメントゲームでの決算(原価の計算方法等)もこの直接原価計算で行いますので、作成する損益計算書も変動損益計算書になります。
この変動損益計算書のことを、戦略MGでは「戦略会計STRAC」といいます。
(2)戦略会計STRACの特徴
戦略会計STRACの「STRAC」とは、Strategic Accounting の造語です。
この戦略会計STRACと変動損益計算書には、下記の2つの大きな違いがあります。
1.戦略会計STRACは要素法=記号化である
2.戦略会計STRACは図解変動損益計算書である
要素法とは、売価・変動単価・粗利単価・売上個数・売上高・変動費・固定費・経常利益を、
P・vP・mP・Q・PQ・mPQ・vPQ・F・Gと記号で変動損益計算書を表します。
図解変動損益計算書とは、変動損益計算書を要素法で四角の図形で表します。
1.企業利益について
戦略MG研修の目的には、経営の疑似体験を通して経営戦略思考力を学ぶことと、管理会計=戦略会計の基礎を学ぶことがあります。
今年の3月31日にパナソニックが、「売上高10兆円の目標を撤回」し、「利益重視の経営に転換」すると経営方針を発表しました。
戦略MG研修の中で経営計画を立てた経験のある方にとっては、売上高(PQ)からではなく、利益(G)から考えるのは当然のことと思われるでしょう。
そこでその「利益」をどのように出すかが問題です。
利益は、売上高から原価や経費を差引いたものです。それ故、誰でも最初は売上高の増大によって利益を増やそうとします。
☆売上高の増大 → 第一の利益☆
この第一の利益は、低成長・デフレ経済下では売上高の増大のみで大きな利益をあげることは困難です。
次に、多くの会社が目を向けるのが、原価や経費の節減で利益をあげようとします。
☆原価や経費の節減 → 第二の利益☆
この第二の利益のもとである原価や経費の節減は、口にするほど簡単なものではなく、ほとんど目に見えて下がるものとはいえないのが実情です。
戦略MGマネジメントゲームの中で利益を出すこととは、固定費(F)よりも付加価値(mPQ)を大きくすることです。
※付加価値(mPQ) > 固定費(F) いわゆる「損益分岐点経営」により利益を大きくします。
☆損益分岐点経営 → 第三の利益☆
(その2につづく)
今回はお勧め書籍の紹介です。「稲盛和夫の実学-経営と会計」
経営と会計について、当たり前だのクラッカー(笑)の事ですが、何度読んでもためになります。
戦略MGを何度やってもためになるのと同じです。
寄稿:戦略MGインストラクター協会 専務理事 白城真也
松下幸之助翁の語録に
『紙一枚でも無駄にすることはそれだけ商品の値段を高くする。』があります。
何故そうなるか?の原理原則は頭でわかっても体に染み付くのはなかなか難しいです。
身銭を切って痛い目をしてやっとわかるレベルかもしれません。
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お正月気分も抜けきったところで、
改めまして新年あけましておめでとうございます。
本年も戦略MG研究所・戦略MGインストラクター協会をどうぞよろしくお願い致します。
戦略MGインストラクター協会は全員経営実現のために、戦略MG研修メニューを「啓発型」から「業績連動型(業績をあげるのに必要な行動や考え方を学べる)」までご用意しました。
『ゴーイング・コンサーン』
企業には営業活動を一旦始めると、ステークホルダー(株主、従業員、従業員の家族、お客様、仕入先、取引銀行、地域など)は未来永劫に存続する前提で信頼し関係を維持してくれます。
戦略MG研修の最初に、このゴーイング・コンサーンをまず理解してもらいます。
2015年8月25日
大阪市のたかつガーデンにて、戦略MGインストラクター交流研修会in大阪を開催しました。
大阪では初めての開催でした。
5名のインストラクターやインストラクター研修受講予定者が参加され、
MGを3期を行いながら、ルールと決算の壁について研修を行いました。
こんにちは。白城です。
ブログをはじめました。情報交換用です。宜しくお願いします。
さて初回は『第2・3表(製-決-Ⅱ)フローシート・簡易決算書・分析表(1日研修用)』シートの活用についてご案内いたします。